足を洗うまで

8時起き。
キャリーカートにカメラと三脚を入れる。
三脚は一つしか入らなかった。

9時半、四谷三丁目到着。
カメラ機材を返却する。
空っぽのカートを引きずり、なんとなく外苑東通りを曙橋方面に歩く。
「一心ラーメン」が見えたあたりで引き返す。

「一心ラーメン」はバイク便をやっていた頃に一度行った。
雑誌によく載る店だったが味は覚えていない。
丼に海苔がたっぷり乗ったエリマキラーメンが有名だった。

10時半に日暮里着。
「六文そば」で掻き揚げうどん食べる。

劇場入りすると笑里に、
「うどん食べてましたね」
と言われる。
見られていたらしい。

田中さんによるバラシ打ち合わせの後、準備に入る。
喉が痛かった。
鼻の奥が腫れていた。
のど飴をなめる。
風邪の兆候だったが、今日一日のステージくらいなら問題ないだろう。

2時開演。
いい感じに始まったが、途中スローになる箇所があった。
稽古で「このページあたりで下がる」と言っていた部分だった。
足並みが揃わない感じになってしまった。

カーテンコールは、奇妙なほど素直な気持ちになれた。
その気持ちのままお客さんに挨拶をした。

松島くん久々に見に来てくれた。
相変わらず忙しいらしい。
芝居の感じが以前と比べて変わったことに戸惑っている様子だった。
トツゲキの永野さん、綾香に挨拶。
そのままバラシに入る。

私物をロビーに運び出し、お金関連の作業をする。
自転車で銀行巡り。
劇場に戻って作業の続き。
バラシから搬出まで、スムーズに進行している様子だった。

事務所で劇場費の精算をし、劇場の林さんとしばらく雑談する。
d-倉庫の公演も今回で4回目になる。
また来年お世話になるかもしれない。
スケジュールを聞くと、秋口まですでに予約が入っていた。
「たくさん公演されてますよね」
林さんに言われる。
本公演の合間にマグ不足があるからそう感じるだけと答える。

ロビーでお金計算の続きをする。
積み込みや楽屋片付けは終わり、役者は楽屋で休憩していた。
「トランプやろうよ」
という声が聞こえた。
小道具に使ったトランプがオレの鞄にあった。
きんちゃんがやってきた。
トランプを渡した。

喉が痛かった。
理保さんにバファリンをもらったが、症状の緩和にはあまり役に立たなかった。

8時過ぎに退出する。
日暮里駅前の「千年のの宴」へ。
初日から昨日までは「黄金の蔵」を利用し、打ち上げはここ。
毎年ここだ。

去年やおととしと同じ席で打ち上げ開始。
8時半スタート。
亜企ちゃん、なおみさん、尾池さん、田中さんが遅れて到着。

鼻声になってきていたが、ゆるい気分で飲めた。
ぎすぎすした思いもなかった。

我々のいるテーブル8人全員でカルーアミルクを頼んだ。
すると、グラスが足りないとかで、4人分ずつ2杯のジョッキに入ってやってきた。

大入り袋を配る。
鶴マミ、笑里、涙声になっていた。

知恵ちゃんが近寄ってきて、
「(時間を)まいてください」
と言った。
お店の人ともめているようだった。

知恵ちゃんが会計を始めた。
飲み放題2時間のあと、いったんしめて新規で追加注文というのを断られてしまったらしい。
おととし使った時は、鍋料理のしめにうどんが出てこず、代わりにシューアイスみたいなものを配られた。
今日はカルーアジョッキ。
日曜は店員が足りないのかもしれないが、日曜日の深夜に客がひっきりなしに来るとも思えない。

同じビルの上の階の歌広場に移動する。
部屋を二つ借り、片方をトーク部屋、片方を歌部屋にすることにした。

喉の調子がおかしく、喋る声も低くなっていたので、トーク部屋でぼそぼそ喋って過ごした。
時々歌部屋をのぞきに行くと、部屋が熱気で暑くなっていた。

トーク部屋で、アイドルの話、姓名判断の話、物まねの話、映画の話、気の向くまま話しているうちに、時刻は4時を過ぎていた。

鶴マミが始発で帰るというので、一緒に店を出ることにした。
寝ぼけ眼の笑里にお金を託す。
見送りに出てきてくれた皆にお辞儀をする。
薄暗い日暮里駅で始発を待った。

6時前帰宅。
足を洗い、顔を洗い、うがいをし、歯を磨き、寝た。